炭水化物の消化

ガイトンの生理学原著第11版  p852~

炭水化物の消化
Digestion of Carbonhydrates

食物中の炭水化物
われわれが日常的に摂取する食物中に存在する主要な炭水化物はスクロース、ラクトース、及びデンプンのわずか3種類である。

スクロース(ショ糖)sucroseは一般に「砂糖」と呼ばれている二糖類である。
ラクトース(乳糖)lactoseはミルクに含まれる二糖類である。
デンプンは(澱粉)stachesはほとんどの非動物性食物、特にジャガイモや各種の穀類にふくまれる高分子糖類である。
その他、少量ながら摂取される炭水化物には、アミロースamylose、グリコーゲンglycogen、アルコールalcohol、乳酸lactic asid、ピルビン酸pyruvicasid、、ペクチンpectins、デキストリンdextrinsや、肉類に含まれる少量の炭水化物誘導体cardhydrat derivativesなどがある。

食物中には、炭水化物の一種であるセルロースcelluloseも多量に含まれている。
しかし、人の消化管では、セルロースを加水分解する酵素は分泌されない。
したがって、セルロースは人の栄養素とはみなされない。

口腔及び胃における炭水化物の消化
食物は咀嚼によって唾液と混合されるが、この唾液には、主に耳下腺から分泌されるプチアリンptyalin(一種のα-アミラーゼ)という消化酵素が含まれる。
この酵素は、図65-1に示すようにデンプンを二糖類のマルトース(麦芽糖)maltoseと3~9個のグルコース(ブドウ糖)分子を含む小さなグルコース重合体に加水分解する。

しかし、食物が口腔に滞在する時間は短いので、嚥下までに加水分解されるのは食物に含まれるデンプン全体のうち、おそらく高々5%程度である。
しかし、デンプンの消化は、胃体及び胃底で食物が胃の分泌液と混合されるまで、時として1時間も継続する。

その後、唾液アミラーゼの作用は、胃液の酸により阻止される。
媒液のPHが約4.0よりも低くなると、この唾液腺アミラーゼは不活性化するからである。
それでも平均的には、食物とそれに伴う唾液が胃の分泌液と完全に混合されるまでに、30~40%ものデンプンが主としてマルトースの形にまで加水分解されている。